教育美術・佐武賞

教育美術・佐武賞について

 「教育美術・佐武賞」は、公益財団法人教育美術振興会(当時:財団法人教育美術振興会)の初代理事長として、長い年月ひたすら美術教育の振興に心をくだき、生涯をかけて大きな力を尽くされた佐武林蔵先生(昭和43 年没)のご寄付によって、昭和41(1966)年に設立されました。
 現場の先生方の実践に光をあてることにより、子供と共につくりあげた優れた授業を広め、指導者の育成と、図画工作・美術科教育の発展に貢献することが本賞の狙いです。そして現場の先生方が日々の実践の悩みから見出した課題や、新学習指導要領の中から見つけた課題などを解決するために、どのような実践をしているかを大事にしています。
 本賞が契機となって、学校現場における実践活動が活性化し、研究の輪が一層広がることを願っています。

第54回 教育美術・佐武賞 佳作賞

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〈題名〉
造形的な見方・考え方を働かせ、自分らしく表現する生徒の育成
~造形的な視点に基づいた思考の力を高める指導過程の工夫~

〈執筆者〉
宮田 栄子 (みやた えいこ)
勤務先:岐阜県 岐阜市立陽南中学校 教諭 (応募当時)
出身校:岐阜大学 教育学部 美術工芸学科

〈概要〉
 授業中に見せる生徒の戸惑いの様子やアンケート調査の実態から、学習を通して自分の成長を感じることや、よりよいものを目指して試行錯誤したり、作品の完成度に自信をもったりすることが十分にできていないことが課題として挙げられた。その要因として「よりよくするためのイメージがもてない」ことや「やり方が分からない」というような意識があることが考えられるとし、具体的なイメージをもつことができるような授業を展開したいと考えた。
 その中で、特に作品を構成する「よさ」と造形的な特徴の結び付きに着目し、よさの理由となる造形的な要素の特徴を明らかにすることで、造形的な見方・考え方を働かせ「迫力を出したいから大きく描こう」「優しさを表現したいから、淡い色を使おう」など、自分がつくりたいもののイメージを具体的にもったり、表現方法の具体的な道筋をもったりすることができるのではないかと考えた。
 そこで造形的な思考の力を高めることを切り口にし、造形的な視点を位置付けた指導計画の作成及び、資料提示の工夫や話し合い活動の充実、生徒が学びを実感するための手立ての工夫を具体的な研究内容とし、実践を進めた。平成29、30年度の2年間の実践を中心にまとめたものである。

※論文は下記よりダウンロードできます。

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